「頭の中で思うだけ」ではラクにならない理由

何度も頭の中で考えているのに、なぜかスッキリしない。
人から「考えすぎだよ」と言われるくらい、ちゃんと考えているのに、
気持ちはラクにならない。
同じことをぐるぐると繰り返してしまう。
そんな感覚、ありませんか?


目次

頭の中でずっと考えているのに、
なぜラクにならないのか

「あの人のあの言葉、ひどくない?」

「なんで私ばっかりこんな思いをするんだろう」

「もういやだ、もういやだ、もういやだ」

頭の中で何度も繰り返している。それなのに、なぜか気持ちはラクにならない。むしろ、考えれば考えるほど苦しくなっていく。

「吐き出してるつもりなのに、なんで?」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。

それは「吐き出し」ではなく
「反芻思考」です

頭の中でぐるぐると同じことを繰り返すのは、吐き出しているのではなく「反芻思考(はんすうしこう)」と呼ばれる状態です。

反芻思考とは、同じ出来事や感情を何度も頭の中で繰り返してしまうこと。

頭の中で思う
無意識に同じ回路を強化し続けている。コントロールしているのではなく、されている状態。

声に出して吐き出す
意識的に脳の外へ出す行為。「やろうとしてやっている」能動的な状態。

頭の中で思い続けているとき、多くの場合それは「やろうとしてやっている」のではなく「気づいたらまた考えていた」という状態です。

つまり、コントロールしているのではなく、されている状態。
だから、何度考えてもラクにならないのです。

脳は「慣れている状態」を
選び続ける

ここでひとつ、脳の特徴があります。

脳の仕組みから見ると…

脳は、慣れている状態を保とうとする性質があります。

たとえそれが、モヤモヤしている状態でも、我慢している状態でも、「いつも通り」が脳にとっては一番安心なのです。

だから、どれだけ頭の中で考えても、脳は「変えよう」としません。「これがいつもの状態だ」と判断して、そのまま維持しようとするのです。

頭の中でぐるぐる考え続けても変わらないのは、あなたの意志が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。脳がそういう仕組みで動いているからなのです。

外に出すと、流れが変わる

でも、それを外に出すと変わります。

頭の中だけで考えると
気づくとまた同じことを考えている。いつの間にかぐるぐるしている状態。

声に出して吐き出すと
「あ、こんなこと思ってたんだ」
「こんなに嫌だったんだ」
と、自分で気づけるようになる

このとき初めて、ぐるぐるしていた状態が止まりはじめます。

そして外に出すことで脳が「もう考えなくていい」と判断できる。中に留めておくから、ぐるぐると繰り返してしまうのです。

「あ、私こんなに嫌だったんだ」「こんなにしんどかったんだ」

この気づきは、単に気持ちがラクになるだけではありません。

自分の感覚を基準に物事を考えられる「自分軸」が戻ってきた証拠。
理不尽な扱いに対して「私はこんな扱いをされるのはおかしい」と感じられる「自尊心」が戻ってきた証拠です。

実は、自分軸や自尊心が薄れてしまっているとき、人は理不尽な扱いをされても、後回しにされても、傷つくことを言われても、「相手が悪い」ではなく「私が悪いのかもしれない」と感じてしまいやすくなります。

悪意があってそう思うのではありません。ただ、自分を守る感覚が薄れてしまっているから。そして気づかないうちに、自分で自分を責め続けることになってしまうのです。

長年、自分の気持ちを後回しにして抱え込んできた人ほど、この感覚を忘れてしまっていることがあります。でも、消えてしまったわけではありません。吐き出すことで、少しずつ戻ってくるのです。

「こんなこと思ってたの?」と感じるのは
変化のサインです

吐き出していると、「こんなひどいこと思ってたんだ…」と、自分でも驚くような言葉が出てくることがあります。

実は、これが大事なサインです。

「こんなこと思ってたの?」と感じる不快感こそが、脳が「あれ、これはいつもと違う」と気づいた証拠。

その不快感があるから、脳が「ラクな状態に戻ろう」として、今までとは違う選択をし始めるのです。

だから、出てきた言葉を見て「私って最悪だ」と評価しなくていい。
「あ、こんなこと思ってたんだな」と、ただ気づくだけで大丈夫です。


「あ、こんなに嫌だったんだ」「こんなにしんどかったんだ」

この気づきは、ただ気持ちがラクになるだけではありません。

実は、吐き出すことで起きているのは「本当の自分を取り戻すこと」なのです。

次のページで、その話をしていきます。


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